ごあいさつ
出水郡医師会在宅医療介護支援センターの開設にあたって
出水郡医師会の医療圏は、鹿児島県の北西部で熊本県との県境に位置し、出水市、阿久根市、長島町の2市1町で構成されてます。出水地域の人口は、約79,000人、65歳以上の高齢化率は、38.6%の地域です。
また、医師の高齢化に伴い在宅医療を担う医師の24時間365日の対応も負担増大を来しています。人口あたりの医師数が少なく、高齢化も課題であり、医療資源にも限りがあるため,関係者の連携・協働が重要な状況でありました。
出水地区では,平成25年9月から出水郡医師会をはじめ関係団体や行政等が参加し「出水地区在宅医療推進協議会」を設置し、地域包括ケアの重要な要素である在宅医療推進のための体制づくりに向け,①研修・企画班 ②24時間対応班 ③退院支援班 ④調査・広報班に分かれ,現状把握や課題の整理を行いました。そこで、「在宅医療を担う人材や資源の確保」「関係機関・職種の連携強化」「住民の理解と支える地域づくり」等が課題として見えてきたため,解決に向けて活動を行っています。
平成28年度より2市1町の委託を出水郡医師会が引受け、出水地区在宅医療介護連携推進事業として継続することになり、その拠点として在宅医療介護支援センターを開設し、令和4年度からは「INAサポートセンター」と愛称をつけました。
出水地域の医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、在宅医療と在宅介護のサービスを一体的に提供するため、二次医療圏である阿久根市、出水市及び長島町の区域内の居宅に関する医療機関と介護サービス事業所などの関係機関との連携を密にし、事業を推進していきますので、ご協力をよろしくお願い致します。
出水郡医師会 会長 來仙 隆洋
事業内容
活動内容
- 医療・介護職からの相談対応
- 出水圏内の有床病院からの退院困難事例の退院支援
- 医療・介護職者へ出水地区の在宅医療の取り組みについての広報
- INAネットシステムの広報
- INAネット登録時の患者・家族への説明、INAネット登録時の副主治医決定支援
- INAサポートライン(MCS)の広報・登録支援(医療・介護職)
- 地域のサロンや住民の集いの場に出向いて、在宅医療やACP(人生会議)等の広報・周知
- 医療・介護職に対する多職種研修会や出前講座の実施
- コーディネーター活動に関連した研修会への参加
委託業務
(ア)地域の医療・介護の資源の把握
- ホームページのリニューアル。
- 医療・介護資源調査の実施。
- 二次医療圏である2市1町の区域内の医療機関や介護事業所等の事業所名、住所、機能、新規事業所の追加、閉業等の情報について、関係機関等が活用しやすいようHPに掲載し、最新の情報となるよう定期的な情報の更新を実施。
また、作成した一覧表等は、地域の医療・介護関係者間の連携等に活用。 - 在宅医療に関する調査の実施。
(イ)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討
- 地域の医療・介護関係者等が参画する会議を開催し、在宅医療・介護連携の現状の把握と課題の抽出を行い、課題解決に必要な対応策を検討。
また、2市1町とコーディネーターから提出された在宅医療・介護連携の推進に関する課題についても対応策を検討。 - 現状把握・課題抽出のための在宅医療・介護に関する住民や医療・介護事業所向けアンケート調査の実施。
(ウ)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進
- 医療・介護関係者の協力を得ながら、在宅医療と在宅介護が切れ目なく一体的に提供される体制の構築に向け、必要とする具体的な施策を企画立案し取り組んでいく。
- 入退院時のスムーズな連携のためのシート活用と入退院時連携シート、活用マニュアルの普及啓発。
- INAネットの登録・活用支援。
(エ)医療・介護関係の情報共有の支援
- 出水郡医師会在宅医療介護支援センターのHPの広報と活用促進。
- INAサポートラインの利活用促進と運用支援。
(オ)在宅医療・介護連携に関する相談支援
- 在宅医療介護支援センターにおいて、出水地区の医療・介護職からの相談対応を実施。相談窓口には、看護師、社会福祉士、介護支援専門員のいずれかの資格を有した相談員(在宅医療介護コーディネーター)を1人以上配置。
- 必要に応じ、退院の際の医療関係者と介護関係者の連携の調整や、患者、利用者又は家族の要望を踏まえた退院支援カンファレンスや担当者会議へ参加。
また、必要に応じて、地域の医師や医療・介護関係者がオンラインにてカンファレンスへ参加する際の支援を実施。 - 地域などで開催される個別のケース会議(地域ケア会議)への参加。
- 医療・介護・福祉関係者(2市1町の住民を含む)等からの相談について、2市1町の地域包括支援センターと連携して対応。
(カ)医療・介護関係者の研修
- 地域の医療・介護関係者の連携を実現するための、多職種研修会の開催。
- 医療機関や事業所、施設に出向いての出前講座の実施。
(キ)住民への普及啓発
- 住民向けの在宅医療や在宅介護に関する市民講座・講演会・映画上映等の開催。
- 住民主体で開催されているサロン活動や健康体操教室等での出前講座の開催。
- エンディングノートの配布。